日本政策金融公庫と民間金融機関(保証協会付融資)の協調融資のメリット・デメリット
日本政策金融公庫と民間金融機関の協調融資とは?
日本政策金融公庫は100%国が出資している独立行政法人になり、政府系の金融機関になります。
それに対して、都銀・地銀等の銀行、信用金庫・信用組合などは政府の出資がない民間の金融機関です。
1つの融資(事業計画)について、日本政策金融公庫と銀行等の民間金融機関が一緒になって融資を行うこと「協調融資」と呼びます。
例えば必要な資金調達額が2,000万円の場合、日本政策金融公庫1,000万円 〇〇信用金庫1,000万円の合計2,000万円というような借り方です。
このような協調融資はどのような時に必要か?
そのメリットとデメリットはどうなのか?
などについて書いていきたいと思います。
協調融資のメリットとデメリット
1 協調融資のメリット
① 借入金総額を増やせる
自己資金の金額やその他の状況から、どうしても必要な金額の融資は難しいこともあります。
特に日本政策金融公庫は創業で1,000万円を超える金額の融資は難しいことが多いです。
そういった場合の不足額を協調融資によって補うことが可能です。
② 金融機関が融資しやすくなる
日本政策金融公庫だけの単独融資だと、当たり前ですがその融資に対する貸倒れ(返済不能)リスクを100%背負うことになります。
それに対して協調融資の場合は、例えば「日本政策金融公庫が融資金額の50%、信用金庫が残り50%」のように分散できます。
金融機関側からすればリスクの分散にもなり、審査上有利に働きます。
2 協調融資のデメリット
① 融資実行(入金)まで日本政策金融公庫単独より時間がかかる
融資の審査も日本政策金融公庫と民間金融機関+保証協会(創業の場合は通常保証協会付融資になります)の双方別々に実施されます。
またそもそも、日本政策金融公庫より保証協会融資の方が融資の可決まで期間が長くかかります。
なので、協調融資をする場合にはある程度の時間的余裕をもって計画することが必要になります。
② 融資の手間が増える
日本政策金融公庫と民間金融機関の双方に融資を申込みします。
双方で共通して必要な書類もありますが、申込書類・事業計画の書式等、ぞれぞれで別に必要になる書類もあります。
また、面談も日本政策金融公庫、民間金融機関、保証協会と別々にあります。
確実に単独融資よりも手間は増えることになります。
③ 融資の審査項目が増える
日本政策金融公庫と民間金融機関あるいは保証協会では審査する項目が変わります。
(もちろん共通する審査項目もあります)
日本政策金融公庫は見ない項目も保証協会は確認することもありますし、逆もあります。
見られる(審査)項目が増える=より厳しく申込者や事業計画を見る
ということが言えるので注意が必要です。
まとめ
日本政策金融公庫と民間金融機関(保証協会付融資)の協調融資について書いてきましたがいかがでしたでしょうか?
創業にあたって、初めて融資申請や計画書を作成される方からすれば、日本政策金融公庫あるいは保証協会付融資どちらか単独融資でもかなり大変です。
ましてや協調融資でその両方の書類作成、折衝を初めての方が一人で行うということはかなりハードルが高いと思います。
協調融資を考えている(あるいは必要)な方、創業としては大きな借入が必要な方は創業融資に詳しい専門家のアドバイスを受けることをお勧めいたします。
当事務所では創業を含めた融資申請実績が豊富にあります。
その経験に基づいた開業・創業のご相談(面談のみ)を初回無料にて実施しておりますので、
これから創業したい!という方はお気軽にお問い合わせください。
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