開業・創業時の自己資金はどこまで認められるのか?(日本政策金融公庫融資)
開業・創業する場合に必要になるものが自己資金です。
日本政策金融公庫の融資審査でも重要視されます。
それだけ自己資金の金額が、創業の成否にも影響するものだからです。
では、具体的にどこまでが(どのようなものが)自己資金として認められるかご存知でしょうか?
創業のご相談を受けていて、質問と誤解の多い項目なのでご説明していきたいと思います。
自己資金として認められるもの認められないもの
1 自分名義の預金通帳
文句なしに自己資金です。
ただし、不明な(説明のつかない)入金についてはゼロ扱いにされます。
2 家族名義の預金通帳
実は「配偶者」「子供」名義の通帳は自己資金として認められます。
世帯が一緒だと、旦那さんと奥さんのお金が明確に分かれていない場合や、小さなお子さんの通帳のお金も結局はご両親のお金の場合が多いからです。
3 タンス預金などの現金
自己資金として認めてもらえません。
何の証拠もないからです。
証拠として預金に入金すれば良いのではないか?
と思われるかもしれませんが、俗に言われる「見せ金」扱いされるだけです。
4 親や友人から集めたお金
原則的には自己資金として認めらません。
様々なブログやコラム等で、
「親から贈与されたお金でも自己資金として認められる」
と書いているものもあります。
確かにそのような場合もあります。
ですが、それはあくまで「レアケース」です。
融資審査では通常は「見せ金」と思われ、ゼロ扱いと考えてください。
つまり、日本政策金融公庫から借りた後に、親へは返してしまうお金と思われています。
5 退職金
こちらは自己資金として認めてもらえることが多いです。
「多いです」としているのは、場合によっては
実際に入金しないと認められない
確実に退職金が入る証拠書類が求められる
ということはありえます。
つまり、預金に入金後のものや、退職所得の源泉徴収票のあるものは問題なく自己資金です。
6 開業・創業の為に使ったお金
こちらも「何に使ったのか?」が明確な場合は自己資金として認められます。
つまり、創業・開業に必要なもので、その請求書や領収書等の証拠があれば問題ありません。
7 キャッシングなどで用意したお金
どうやっても認められません。
そもそも、キャッシング額は個人信用情報を確認した際に日本政策金融公庫にはわかります。
その際にキャッシング額は自己資金のマイナスとして扱われますので、金額としてはプラスマイナスゼロになります。
この場合は自己資金ゼロ扱いというだけでなく、印象が悪くなりマイナスなくらいです。
まとめ
自己資金について書いてきましたがいかがでしたでしょうか?
自己資金の具体例をあげてきましたが、要するに
開業・創業される方が用意した(あるいは用意できる)
第三者(日本政策金融公庫の担当者)に信じられる証拠のある
こういうお金が自己資金として認められます。
そして日本政策金融公庫の審査では、自己資金の貯まる過程がかなり見られますのでご注意ください。
他に下記コラムでも自己資金に関連した内容を書いています。ご興味にある方はご覧になってください。
今までのコラムを読んできて
自己資金の内容や金額について不安がある
というような方は、専門家に一度ご相談されることをおすすめします。
当事務所でも初回は無料にて開業・創業の相談を受けておりますのでお気軽にお問い合わせください。
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