信用保証協会融資の注意点(日本政策金融公庫との違い)
信用保証協会の融資とは?
信用保証協会とは、日本政策金融公庫以外の民間金融機関(都市銀行・地方銀行や信用金庫・信用組合など)から融資を受けたい場合に利用するものです。
信用保証協会はその融資について「保証」をしています。
信用保証協会はその融資返済が滞った場合や返済不能になったときに、借主に代わって金融機関に立替払いを行います。
つまり、貸倒れのリスクを信用保証協会が負うことで金融機関がリスクの高い小さい会社や個人事業主に対しても貸しやすくする制度です。
その対価として、借主は信用保証協会に「保証料」を支払います。
なので、借りる側からすれば信用保証協会の融資ではなく金融機関との直接取引(プロパー融資と言います)の方が保証料もかからない方が良いのですが、融資の難易度は高くなります。(金融機関からすれば信用保証協会融資の方が良い為)
どれくらい難しいかというと、創業融資では「信用保証協会融資以外の融資はほぼない」というくらい難しいです。
創業の方で日本政策金融公庫以外から融資を受ける場合には、信用保証協会の審査に通らないと融資は受けることができないと考えてほぼ間違いないです。
日本政策金融公庫の融資との違い
日本政策金融公庫も信用保証協会も公的な機関(国の予算からお金が出ている)という意味では一緒です。
ですが、完全な別組織になるので、その審査内容(見るポイント)がかなり変わります。
以下、審査のポイントと違いを書いていきます。
個人信用情報
日本政策金融公庫は「個人信用情報を最重要視する」と言っても良いくらいに見ます。
信用情報機関のCICと日本政策金融公庫内にある過去のデータベースを含めて確認して、ブラックな履歴がないかを見ます。
内容によりますが、ここで何かひっかかるとかなり不利になります。
信用保証協会は、過去の保証協会融資で滞りや返済不能があるかどうかは当然見ます。
ですが、CICは全く見ません。
ただし、金融機関はCIC等の個人信用情報を見るというややこしいところがあります。
ここは金融機関によって
「保証協会さえ通れば信用情報のブラックがあっても貸す」ところと
「保証協会融資でもそもそもブラックには貸さない」ところがあります。
信用保証協会の融資は個人信用情報に傷があっても借りられる可能性があるくらいに考えると良いでしょう。
自己資金と事業計画
日本政策金融公庫は担当者にもよりますが、「事業計画」より「自己資金」を重要視する傾向があります。
将来の計画はどうなるかわからないものですが、自己資金はその創業者の「人間性」や「性格」が現れると見ているからだと思います。
逆に信用保証協会は「自己資金」よりも「事業計画」を重要視します。
自己資金が少なくても大きな金額を借りられる可能性はありますが、その分、事業計画についてはシビアに見ます。
大きな借入の場合は、日本政策金融公庫よりもかなり詳細で複数年度の「損益計画」や「資金繰り表」を求められたりします。
また、その数字の根拠や説明もしっかり求められるので注意が必要です。
まとめ
日本政策金融公庫と信用保証協会の審査の違いの大きなポイントを書いてきました。
細かいところの違いは他にも色々とありますが、融資をコンサルティングしていて大きく違うと感じる点は上記の2点だと思います。
資金調達先の使い分けとしては
・創業融資※民間金融機関の融資姿勢が厳しいため
・借りたい金額が1,000万円以下
・個人信用情報に問題がない
→日本政策金融公庫
・借りたい金額が1,000万円以上あるいは日本政策金融公庫に借りてまだ足りない
・何年か事業を行っていて資金調達先を増やしたい
・個人信用情報に問題がある
→信用保証協会
・事業が好調なのでより有利な金利で借りたい
→プロパー融資
それぞれの特徴を理解して、上手に利用することは経営にとって重要です。
借入や資金繰りについて悩まれている方は、融資のノウハウのある専門家に相談されることをお勧めいたします。
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