日本政策金融公庫の消極的な融資分野
日本政策金融公庫(国民生活事業)の融資は事業性融資
日本政策金融公庫の国民生活事業の融資は、種類としては「事業性融資」になります。
そもそもの日本政策金融公庫の融資の趣旨として、「事業に融資する」というものがあります。
その趣旨から、民間金融機関があまり積極的とは言えない創業の方への融資も積極的に行います。
逆に「事業」ではなく「投資」に類する分野への融資については消極的になります。
代表的なものでは、次の二つの分野が日本政策金融公庫ではあまり取り扱わない融資分野です。
※なお、事業性融資以外でも教育ローンは上記とは別にありますが、部署が違います。
日本政策金融公庫が弱い融資分野
1 不動産投資(収益物件投資)
まず一つ目は不動産収益物件の取得に関する融資です。
この分野は一般的に不動産投資と言われるように、事業ではなく投資と見ています。
また、通常、不動産投資は、その投資不動産を担保に入れて融資します。
しかし、日本政策金融公庫は既存不動産を担保に入れて融資することはできますが、新規取得不動産を担保に融資することはできません。
不動産投資の融資で、取得物件の担保無しでの融資は現実的に不可能です。
こういった現実的な問題もあり、日本政策金融公庫は不動産投資への融資が弱いです。
2 太陽光設備への投資
二つ目に太陽光設備の取得融資についても事業ではなく投資と見ています。
※稀に担当によっては手掛ける場合もあるようです。
また、数年前までは日本政策金融公庫でも太陽光への融資をしていました。
その時の状況・背景により融資姿勢は変化しますが、現時点では日本政策金融公庫で太陽光への融資は原則やらないと考えて良いでしょう。
民間金融機関(銀行・信用金庫・信用組合等)では?
日本政策金融公庫での融資が難しい場合、次に他の金融機関から融資を受けることができるかどうか?を考えることになります。
不動産投資については不動産市況の過熱感もあり、銀行は少し前から厳しい姿勢に変化していました。
そこへ、スルガ銀行の不正融資の問題が話題になり、まだ不動産融資を頑張っていた金融機関もはっきりと消極姿勢になったと感じています。
具体的には融資審査が厳格化し、
・キャッシュフロー
・自己資金
・収益物件の立地
・築年数と融資期間
このような要件に問題がないかを審査します。
これまでの不動産投資融資(特に物件価格1億~2億円以下のもの、サラリーマンオーナー)はスルガ銀行のような改竄まではしていなくとも、どこの銀行も緩めの融資審査で通りやすくなっていたものも多かったようです。
そういう意味では、遠からず問題になる融資案件も多く、これからは健全化されていくと思われます。
太陽光設備の融資についても、厳しいと言う点では同様です。
不動産投資融資のような不正融資のような問題はありませんが、太陽光の売電価格の低下などがあり、銀行などでは数年前から消極姿勢になっています。
条件さえ満たせば、融資はまだ可能な場合もありますが、現実的にはかなり厳しい状況です。
そのような状況から太陽光については、ほとんどの場合ノンバンク系からの融資で取得しています。
まとめ
不動産収益物件と太陽光への融資は日本政策金融公庫では難しく、現在(2018年12月時点)の状況では銀行、信用金庫、信用組合等でも基本的には厳しい姿勢で審査されます。
特に何の人脈もなく、銀行へ飛び込みで相談に行った場合などは門前払いのような扱いを受けることが多いでしょう。
※そもそも銀行は、窓口に飛び込みで融資相談に来る人は、他のいくつもの銀行で融資を断られた、融資が難しい人、という見方をします。
今の状況だと、購入者の属性、購入物件の内容、資金計画、対応可能な金融機関の選定等、専門的な知識無しでは非常に難しいでしょう。
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