創業融資の申請金額の決め方
創業融資は受ける方が良いのかどうか?については過去のコラム(借金は良いか?悪いか?)で書かせていただきました。
では、融資を受ける場合のその申請金額は?
どれくらいが良いのか?
どのように決めれば良いのか?
相談に来られてご質問の多い事項になりますし、非常に重要な事項ですのでポイントをご紹介していきたいと思います。
事業計画(資金繰り計画)
第一に重要なことは事業計画(資金繰り計画)をきっちり立てることです。
① 売上の見込み
② 仕入のある業種であれば原価率
③ 家賃、通信費、水道光熱費などの固定費
④ 初期の内装や設備費用
などといった各項目を挙げて「お金」の入出金から見た計画を作ります。
そうすればどのくらいの売上があればお金の収支がプラスになるのか?
お金の収支がプラスになる時期はいつごろの見込みか?
が理解できるようになります。
お金の入出金の計画ができれば、初期の内装設備費用とは別に、お金の収支がプラスになるまでの必要な運転資金の金額がわかります。
これは融資を成功させる為ではなく、事業を成功させる為に必要なことです。
最初に計画書をしっかり作るかどうかで廃業率に差がつきます。
実際の申請金額は?
1 計画で立てた金額を借りることが難しい場合
自己資金の積み増し、計画の改善、日本政策金融公庫と他の信用金庫等の連携など、あらゆる手段を考えた上でも必要金額まで借りることが難しい場合もあります。
この場合はもう一度計画の見直しをかけます。
厳しく見ていけば、優先順位の低い支出や過大な支出となっているものが出てきます。
創業時に充分に借りれないからと言って、事業を開始してから追加融資を検討される方もいます。
しかし、創業して半年や1年後くらいではまず追加融資はおりません。
実際に借りることができる金額で事業が継続できるような計画を立てることが重要です。
2 計画で立てた金額以上に借りることが可能な場合
この場合は計画で出した必要な金額を最低としてどこまで借りるか?の検討になります。
計画の売上見込みを少し厳しめに見て「当初予定より下振れしたとしても大丈夫なくらい」を目安に借りるようにします。
日本政策金融公庫総合研究所が行っている新規開業実態調査という調査があります。
※調査対象は日本政策金融公庫国民生活事業が融資した企業のうち、開業後1年以内の企業です。
この調査の中で予想月商達成率(調査時点の月商の開業前に予想していた月商に対しての達成率)という項目があり、達成率100%未満という回答が例年、約50%前後あります。
つまり、開業した企業の約半分は当初予想を下回っているということです。
廃業せずに事業を継続できている方でも、当初の予定通りに売上があがらないことが多いです。
最初に余裕をもった金額を用意できるのであれば、それに越したことはありません。
まとめ
重要なことは創業時にしっかりとした計画を立てることです。
そして計画通りにはいかないことを前提として、余裕を見た金額を借りることができれば尚良いと思います。
創業支援をさせていただいている中で多いパターンとしては、開業して半年くらい経った後に「やってみたら資金が足りなくなった」という事例です。
それで困って追加融資の相談に来られるのですが…
こうなってからだと、融資はほぼ不可能な場合が多く、専門家が支援してもどうしようもなくなっている例が多いです。
このようなことにならないよう専門家に相談する時期は創業前がベストです。
創業時点で専門家にアドバイスを受けながら、しっかりとした計画を立てていきましょう。
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