新型コロナウイルス感染症特別貸付【信用保証協会融資】史上初の無利子貸付!
コロナ特別貸付の概要
政府の閣議決定を受け、民間金融機関でも実質無利子という特別貸付の取り扱いを始めました。
先に日本政策金融公庫で行われているコロナ対応の無利子貸付と似た内容の融資制度になりますが、実質無利子の融資制度は保証協会融資としては初めてのことになります。
今回は、その違いと注意点などについて書いていきたいと思います。
日本政策金融公庫のコロナ貸付との違い
日本政策金融公庫のコロナ融資と似通った制度(特に利子補給による実質無利子)になっていますが、細かいところで違いがあります。
要件
下記のいずれかの要件を満たし、その認定を受ける必要があります。
※認定は本店等所在地の市区町村の窓口で受けることができます。
1. 危機関連保証制度
次のいずれにも該当する中小企業者が措置の対象となります。
① 金融取引に支障を来たしており、金融取引の正常化を図るために資金調達を必要としている。
② 新型コロナウイルスに起因して、原則として、最近1か月間の売上高等が前年同月比で15%以上減少しており、かつ、その後2か月間を含む3か月間の売上高等が前年同期比15%以上減少することが見込まれること。
2 .セーフティネット4号認定
次のいずれにも該当する中小企業者が措置の対象となります。
① 1年間以上継続して事業を行っていること。
② 今回の新型コロナウイルスの発生により影響を受けた後に、原則として最近1か月の売上高等が前年同月比20%以上減少しており、かつ、その後2か月間を含む3か月間の売上高等が前年同期に比して20%以上減少することが見込まれること。
3 .セーフティネット5号認定
次のいずれかの要件を満たすことについて、市区町村の認定を受けた中小企業者が対象です。
① 指定業種に属する事業を行っており、最近3か月間の売上高等が前年同期比5%以上減少の中小企業者。
② 指定業種に属する事業を行っており、製品等原価のうち20%を占める原油等の仕入価格が20%以上、上昇しているにもかかわらず、製品等原価に転嫁できていない中小企業者。
要件を見ていくと、セーフティネット5号以外は売上減少が15%以上もしくは20%以上となっているので、日本政策金融公庫(売上減少5%以上)より厳しいと言えます。
セーフティネット5号だと公庫と同じ売上減少5%以上になります。
ただし、上記の売上要件については、保証協会のコロナ融資の方は直近1か月+その後2か月(売上見込で可)あるいは直近3か月です。
それに対し日本政策金融公庫は前年と比較するのは直近1か月のみになります。
要件については、日本政策金融公庫の方がより当てはまり安いと言えます。
そうなると、日本政策金融公庫の方が良くてそちらを優先した方が良いということになりますが、一点大きな問題があります。
日本政策金融公庫はパンク状態!?
日本政策金融公庫のコロナ融資(実質無利子)は3月から開始しており、既に申し込みが殺到しています。
現時点(2020年5月現在)では、地域差はもちろんありますが、申込~面談まで2か月待ちが当たり前という状況です。
審査担当者との面談まででさえ2か月となると、実際に融資が通って入金までは3か月はかかるということになります。
「急ぎではないけれど、どうなるかわからないから借りたい」という方は3か月~4か月後の入金でも大丈夫かと思いますが急ぎの方はそうはいきません。
まだ現状は保証協会の方が早いと思われます。
ただし、保証協会も申し込みが増えていますので、対応が遅くなっていくことが予想されます。
その点は充分にご注意ください。
まとめ
コロナ貸付について、日本政策金融公庫と保証協会の違いについて書いてきました。
地域差はあるものの、非常事態宣言も解除されてきています。
そうはいってもまだまだ通常運転には遠い状態で、今後の経済情勢が不透明な状況だと言えます。
現状すぐに大きな影響がない業種の方でも、この機会にできるだけ余裕資金を持っておくことが大切です。
日本政策金融公庫と保証協会の融資を申込むについて、必要書類や注意点も違います。
また「借りることができる金額」も大きく違います。
融資について、
そもそも相談する人がいない
今の顧問税理士は、融資はわからない、詳しくないと相談にのってくれない
など、というお悩みのある方は一度、神戸の曽禰会計事務所までお問合せください。
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